町の下水道使用料は平成9年に改定して以来,約30年間据え置いてきました。しかし,施設の老朽化や物価上昇に伴う運営コストの増加などにより,今後,事業運営に必要な資金がさらに不足する見込みです。このため,安定的で持続可能な下水道事業の運営に必要な財源を確保するため,令和9年4月1日から下水道使用料を改定します。将来にわたり安定した下水道サービスを維持するための見直しとなりますので,利用者の皆さまにはご負担をおかけしますが,ご理解とご協力をお願いいたします。
下水道使用料改定の経緯
「利根町下水道事業経営戦略」の改定
下水道事業を将来にわたって安定的に継続していくため,中長期的な経営の基本計画である「利根町下水道事業経営戦略」を令和7年3月に策定しました。
策定にあたっては,利根町下水道事業運営協議会において,令和6年9月から令和7年3月まで5回にわたって審議が行われました。
利根町下水道事業経営戦略(PDFファイル)
利根町下水道事業経営戦略【概要版】(PDFファイル)
下水道使用料適正化に関する審議
利根町下水道事業運営協議会において,令和7年8月から令和8年2月までの5回にわたって審議が行われ,下水道使用料適正化について答申が提出されました。
利根町下水道事業運営協議会の答申(下水道使用料適正化について)(PDFファイル)
下水道使用料適正化報告書(PDFファイル)
利根町議会において下水道使用料の改定に関する条例改正案が可決
利根町下水道事業運営協議会からの答申をもとにした下水道使用料の改定に関する条例改正案を令和8年利根町議会9月定例会に提出し,可決されました。
下水道使用料を改定する背景
背景(1) 人口減少に伴う使用料収入の減少
人口減少や節水機器の普及により下水道使用料収入は減少しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば,町の人口は約30年後には半減する見通しです。人口減少に伴い水洗化人口も減少しますので,下水道使用料収入も令和36年度には7,200万円と大幅に落ち込むことが明らかになりました。
処理区域内人口・水洗化率

下水道使用料収入

背景(2) 下水道施設の老朽化と更新費用の急増
町の下水道事業は事業開始から約50年が経過し,施設の老朽化が進んでいます。下水道管は長年の使用により腐食やひび割れ等の破損が生じやすく,機能低下や道路陥没など重大な事故につながる恐れがあります。したがって,今後は,施設の維持管理だけでなく,老朽化に伴う計画的な改築や更新,自然災害等への対策を進める必要があり,費用は急増する見込みです。
汚水管老朽化の推移

老朽化した下水道管の更生工事(利根町羽根野地内)

工事前

工事後
背景(3) 利根町下水道事業の財政状況
下水道事業は,経営に係る費用を事業の収入によって賄う独立採算制を原則としていますが,下水道使用料だけでは費用の8割程度しか賄えていないため一部を税金等で補填している状況です。また,町の下水道資産の約半分(45.3%)は,住宅団地造成に伴い民間から無償譲渡された「受贈財産」であり,新設時の費用は掛かっていないため,現在まで県内他市町村と比較して低い料金水準を維持してきました。しかし,今後の改築・更新時の費用は町の財源で賄う必要があるため,対策を講じないと財源不足が発生する構造となっています。
背景(4)茨城県内で唯一「基本使用料」がない料金体系からの変更
現在は茨城県内で唯一の基本使用料を設けない料金体系を採用していますが,本来は事業運営に必要な人件費や施設の維持管理費など,下水の使用水量にかかわらず発生する固定的な経費は「基本使用料」で賄う必要があります。
下水道使用料の算定根拠
現行の使用料体系で今後経営を続けた場合,使用料算定期間である令和9年度から令和13年度までの5年間で,約1億6500万円が不足する結果となりました。また,更新費用の急増に対応するために将来20年間で生じる見込みの財源不足額2億6,000万円を見据え,特定の世代へ負担が偏らないよう年間1,300万円の「資産維持費」を算定期間の経費に平準化して計上しました。
下水道使用料改定の内容
「基本使用料+従量使用料」の料金体系に変更し,併せて,従量使用料は現行の均一型使用料制から,使用水量の増加に応じて単価が高くなる累進使用料制へ改めます。
現行・改定後の下水道使用料金表(1か月あたり・消費税抜き)
| 区分 | 使用水量 | 現行 | 改定後 | 比較増減 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本使用料 | 一律 | なし | 1,100円 | +1,100円 | |||||||||
|
従量使用料 (1㎥あたり) |
~10㎥ | 120円 | 30円 | △90円 | |||||||||
| 11㎥~20㎥ | 160円 | +40円 | |||||||||||
| 21㎥~50㎥ | 164円 | +44円 | |||||||||||
| 51㎥~ | 169円 | +49円 | |||||||||||
モデルケース(2か月あたり・消費税10%込)
| 使用水量 | 現行 | 改定後 | 比較増減 |
|---|---|---|---|
| 10㎥(5㎥+5㎥) | 1,320円 | 2,750円 | +1,430円 |
| 20㎥(10㎥+10㎥) | 2,640円 | 3,080円 | +440円 |
| 40㎥(20㎥+20㎥) | 5,280円 | 6,600円 | +1,320円 |
| 60㎥(30㎥+30㎥) | 7,920円 | 10,208円 | +2,288円 |
| 100㎥(50㎥+50㎥) | 13,200円 | 17,424円 | +4,224円 |
*下水道使用料早見表(2か月あたり・消費税込み)(PDFファイル)
新料金による下水道使用料計算方法
町では,経費抑制のために検針は2か月に一度行い,検針した2か月分の使用水量を均等に分割して1か月ごと(1か月目・2か月目)に算定し,2か月分の使用料をまとめて請求いたします。(算定する際に生じる水量の端数は「1か月目」に加算します。)
【計算例】令和9年6月検針分(4月上旬~6月上旬)が45㎥の場合
| 使用水量 |
使用月 計算水量 |
基本使用料 | 従量使用料 | 小計 | 合計 | 合計 (税込) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 45㎥ |
1か月目 (4月使用) 23㎥ |
1,100円 |
10㎥×30円=300円 10㎥×160円=1,600円 3㎥×164円=492円 小計2,392円 |
3,492円 | 6,820円 | 7,502円 | |
|
2か月目 (5月使用) 22㎥ |
1,100円 |
10㎥×30円=300円 10㎥×160円=1,600円 2㎥×164円=328円 小計2,228円 |
3,328円 | ||||
令和9年6月請求額は,7,502円となります。
よくあるご質問(FAQ)
◆改定後の使用料はいつから適用されますか。
当町では2か月に一度,偶数月に検針を行っております。
改定後の使用料は,6月検針(6月請求分,7月7日口座振替)から適用となります。
◆使用料改定の前後に転出入した場合,使用料はどのようになりますか。
転出入のタイミングで使用料の計算に影響が出るのは以下のケースです。
6月検針以前に使用中止した場合,最終検針分は改定前の使用料を適用します。
3月下旬に使用開始した場合,4月検針は行わず6月検針分より改定後の使用料を適用します。
◆今回の改定にあたり,町民の意見はどのように反映されていますか。
下水道使用料の改定にあたっては,学識経験者や受益者代表(公募委員を含む)によって構成される利根町下水道事業運営協議会に諮り,審議が行われました。
その後,令和8年利根町議会9月定例議会に下水道使用料の改正を含む条例案を提出し,可決されました。
◆今後も下水道使用料を改定する予定はありますか。
令和7年3月に策定した「利根町下水道事業経営戦略」では,令和12年度に料金適正化について検討を計画しています。社会情勢の変化や中長期的な経営見通しなどを踏まえながら,適正な下水道使用料水準が確保できるように,概ね5年に1度の頻度で改定の必要性を検証してまいります。
◆今までどのような経営努力を行ってきましたか。
経営改善として,茨城県南水道企業団との徴収業務一元化や毎月検針を隔月検針に変更することで経費を削減しました。また,普及促進を実施して下水道接続率を向上させ,収入の増加に取り組んできました。
◆使用水量が0㎥の場合にも基本使用料は掛かりますか。
料金改定後は,基本使用料(月額1,210円(消費税10%込))が掛かります。水道(井戸水)を利用しない場合には,休止の届け出をしていただくことにより基本使用料は掛かりません。
水道使用休止の連絡先:茨城県南水道企業団 業務課 0297-66-5132
井戸水使用休止の連絡先:利根町役場 生活環境課 下水道係 0297-68-2211
◆10㎥までの最低水量区分単価を33円(消費税10%込)と,極端に低く設定しているのはなぜですか。
今回の料金改定では,「基本使用料(月額1,210円(消費税10%込))」を新設したため,10㎥以下の少量使用者の負担が大きく増えることから激変緩和策として10㎥までの単価を低く設定しました。
◆水道水以外の水(井戸水)を利用している場合の下水道使用料はどうなりますか。
基本使用料と従量使用料を合計した金額となります。
従量使用料は,次の表により算定します。
| 使用の状況 | 使用水量の認定方法 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 井戸水のみ | 世帯員1人につき1か月6㎥ | |||||
| 水道水と井戸水併用 | 世帯員1人につき1か月6㎥。ただし,これにより算定した使用水量より水道水量の方が多い場合は,水道水使用水量となります。 | |||||