昨年9月から12月までの4か月間実施しました「若草大橋有料道路の通勤時間帯における無料措置」は,栄橋における茨城県側から千葉県方面への朝の通勤時間帯の渋滞がどの程度緩和されるのかを効果検証するため,交通量調査,栄橋の通過所要時間調査及び利用者アンケート調査の3つの調査を行いました。
1.調査結果
(1)交通量調査(周辺交通量の変化) ※調査時間帯 平日 午前 6 時~午前 8 時 (無料措置時間帯)
 
●調査結果から分析できること・・・
栄橋の交通量結果を分析すると,一定の車両が若草大橋有料道路へ交通分散され,これにより交通の流れが良くなり,これまで無料時間後に栄橋を通過していた車両が無料時間帯に入ってきたことで,結果的に交通量にはあまり大きな変化がみられなかったものと考えられます。
(2)栄橋の通過所要時間調査 ※調査方法・内容 「ファミリーマート龍ケ崎北方店~印西市役所」(約7.8km)まで,車両による 所要時間調査

●調査結果は・・・
所要時間調査の結果は,無料措置前では最大35分間の所要時間でしたが,無料期間中は最小で18分間となり,最大差で17分間の短縮となりました。また,渋滞に入ってから栄橋を通過するまでの所要時間調査の結果についても最大22分間で通過していたものが最小で5分間となり,最大差で17分間の短縮となりました。これは,「渋滞損失時間」 という交通渋滞の度合いを示す指標ですが,今回の調査では,渋滞損失時間が最大で17分間短縮された結果となりました 。また,渋滞の長さも最大で 1,080 mあったものが,最小で 510 mと半分以上短縮されました。
(3)利用者アンケート調査
  ◇利用者アンケート調査概要◇ ※質問は利用者アンケート調査報告書より抜粋して掲載
   ・実施日時 令和2年12月9日(水)午前6時から8時(2時間)
   ・実施場所 若草大橋有料道路料金所下り線1レーン(利根町から千葉県栄町方面)
   ・実施方法 料金所付近で車両を一時停止させ,車窓よりアンケート用紙を配布
   ・回収方法 若草大橋有料道路料金所 又は郵送による回収
   ・調査結果  アンケート配布数 347枚 回収数 239枚(回収率 68.9%)
◇回答結果◇
  Q.お住まいはどちらですか?
  A.第1位  龍ケ崎市  122人(51.0%)
    第2位  河内町    32人(13.4%)
    第3位  利根町    22人( 9.2%)
  Q.ご利用目的は?
  A.第1位  通勤    178人(74.5%)
    第2位  仕事     45人(18.8%)
    第3位  買物・レジャー 8人( 3.3%)
  Q.どこからどこまでご利用(通行)しますか?
  A.第1位  龍ケ崎市 から 印西市  50人
    第2位  河内町  から 印西市  16人
     〃   龍ケ崎市 から 栄町   16人
     〃   龍ケ崎市 から 成田市  16人
  目的地別集計結果 (行き先)結果
    第1位  印西市    92人(38.5%)
    第2位  成田市    34人(14.2%)
    第3位  栄町     30人(12.6%)
  Q.平日朝(6:00から8:00)の無料措置による効果はどのように感じますか?
  A.第1位  通勤時間の短縮通勤時間の短縮  167人
    第2位  栄橋や長豊橋の渋滞緩和     141人
    第3位  有料道路の利用者増加       72人
2.分析まとめ
 「若草大橋有料道路の通勤時間帯における無料措置」による栄橋の渋滞緩和は,交通量調査結果の車両台数のみで判断することは難しい一方で ,栄橋の通過に要する時間や渋滞の長さを短縮できるなど一定の効果があることが令和3年3月22日に開催された利根町地域公共交通会議において,検証されました 。
3.今後の方向性について
今回の調査結果から,「若草大橋有料道路の通勤時間帯における無料措置」は栄橋の渋滞緩和への有効な手段の1つであると検証されましたが ,今後継続した無料措置の実現には,さらなる費用対効果と若草大橋有料道路の利便性向上が求められます。そのためには,近隣市町村と情報交換や情報共有を行いながら協力・連携を図り,この問題に継続的に取り組んでいきます 。