施政方針

令和4年度施政方針

 

施政方針(令和4年第1回利根町議会定例会) 

  

はじめに 

本日ここに,令和4年第1回利根町議会定例会が開催され,令和4年度予算をはじめ,上程いたしました議案のご審議をお願いするにあたり,私の町政に対する基本方針と施策の概要を申し上げ,議員各位並びに町民の皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに,世界情勢についてですが,ロシア軍のウクライナ侵攻が始まり,日増しに戦闘が激化しております。世界各国では,ロシアに対する経済制裁や,市民による戦争反対の動きが活発化する一方で,日本経済にもたらす影響も危惧されるところです。子供を含めた一般市民の犠牲者も出ており,これ以上の犠牲者を出さないためにも,一刻も早い収束を願うばかりです。
つぎに,全世界に拡大した新型コロナウイルス感染症についてですが,国内で初めて感染が確認されてから,2年が経過した今も,変異を繰り返しながら世界的に猛威を振るっています。茨城県においては,県内全域に適用されている,国の「まん延防止等重点措置」の延長が要請されるなど,依然として予断を許さない状況が続いております。町内においても,連日のように新規陽性者が発生しており,不安な日々をお過ごしのことと思います。町民の皆さまにおかれましては,引き続き,感染拡大防止へのご協力をお願い申し上げます。
こうした状況のなか,町といたしましては,濃厚接触者等で行動制限がある方の日常生活を支援するため,申請に基づき,生活支援物資の配布を行っているところです。
また,3回目のワクチン接種についても,順次,接種券を発送し,希望される方がスムーズに3回目接種を終えられるよう,町内医療機関の協力を得ながら,対応しているところです。一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう,今後も最善を尽くしてまいります。

つぎに,国内の経済状況に目を向けますと,政府の2月の月例経済報告では,「景気は,持ち直しの動きが続いているものの,新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で,一部に弱さがみられる」とし,オミクロン株の感染拡大を受け,外食や旅行といった個人消費の落ち込みなどから,景気判断を5か月ぶりに引き下げました。
先行きについては,「感染拡大による影響や供給面での制約,原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある」として,オミクロン株の感染状況に警戒感を強めています。
感染拡大の長期化は,地域経済をはじめとする,様々な分野で影響を及ぼし,人々の生活意識・行動にも変化が表れています。
町民の皆さまの命と生活を守るため,徹底した感染防止対策や地域の感染状況に応じた支援策を講じるとともに,地域経済の活性化や町の活性化に繋がる取り組みを,引き続き推進してまいります。

ここで,今年度の事業について2点ほどご報告申し上げます。
上曽根運動公園内のドッグラン設置工事ですが,現在,4月からご利用いただけるよう工事を進めております。完成の際には,町内外の愛犬家の皆様に,ぜひ,ご利用いただきたいと思っております。
2点目は,昨年度の生涯学習センターでの住民票と印鑑登録証明書の交付開始に続き,先月8日から図書館でも住民票と印鑑登録証明書の交付を開始いたしました。
図書館は,土日も開館していることから,生涯学習センターや図書館に発行窓口を分散することにより,住民課窓口の混雑緩和とともに,住民の方々の利便性の向上にもつながるものと考えております。

それでは,令和4年度当初予算の概要につきまして申し上げたいと思います。

 令和4年度予算概要

令和4年度の予算編成にあたっては,予算編成方針を次のようにしております。「新型コロナウイルス感染症の影響の長期化,及び現役世代人口の減少により,これまで以上に個人町民税の減収が予想されることから,厳しい状況となることが予想される。そのような中で,新型コロナウイルス感染症対策の,着実な実施はもちろんのこと,ウィズコロナ・アフターコロナ時代を見据え,新しい生活様式のもと,社会情勢の変化に対応することが重要である。従来の慣例や固定観念にとらわれず,これまで実施してきた財政健全化の流れと併せ,新しい発想で施策の展開を図る必要がある。」とし,編成作業にあたらせてきたところです。

令和4年度一般会計の予算規模は,62億1,339万7千円で,前年度当初予算と比較いたしますと,4億9,903万1千円の増,率にしますと8.7%の増となっております。
特別会計につきましては,介護保険特別会計の介護サービス給付費の増加や,後期高齢者医療特別会計の被保険者数の増加に伴う後期高齢者医療広域連合納付金の増加等により,6つの特別会計の総額は,47億6,115万5千円となり,前年度比2億132万1千円の増,率にしますと4.4%の増となっております。

令和4年度主要事業 

続いて,令和4年度の主要事業について、新規事業を中心に申し上げます。

【高齢者福祉関係】

令和2年1月から始まった高齢者等買い物弱者移動販売事業ですが,令和4年度からの事業者については,よりサービスの向上を目指すため,プロポーザル方式を採用し,株式会社カスミが新たな事業者として決定したところです。
品数の豊富さや販売回数など,これまで以上のサービスが提供できるものと期待しているところです。

【農業振興・農村環境整備・商工観光関係】 

続いて,農業振興関係ですが,県営利根西部地区基盤整備事業につきましては,令和3年度に着工した第1期地区である羽根野地区において,現在,整地工事を行っております。令和4年度はパイプライン敷設等の最終工事を行いながら,第2期地区内の文小学校付近から横須賀方面までの整地工事に着手いたします。
このほか,感染症の影響の長期化による外食産業等の需要の落ち込みにより,令和3年産の米価下落の影響を受けた,主食用米生産農家に対し,次期作に向けた生産の継続と意欲を支援するため,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し,生産費の一部を助成いたします。
つぎに,商工関係ですが,まちなか・商店街活性化事業につきましては,当町で起業・創業を目指している方が,本格開業に向けて,一定期間,試験的に出店できるチャレンジショップの整備を進めるとともに,とねまち起業塾の開催や空き店舗バンク制度,空き店舗等活用補助金の創設など,包括的な創業支援を行なってまいります。
また,当町が,起業家や若者たちにとって魅力ある町,選ばれる町となるよう,若者会議「とねまち未来ラボ」の活動などを通して,地域や商店街に,人の流れや賑わいを創出する取り組みを,若者たちの意見やアイデアを伺いながら進めてまいります。

【道路整備・公園費関係】 

続きまして,道路整備関係ですが,立木寺内地区の狭あい道路の拡幅事業につきましては,緊急車両の通行を確保するため,地元の皆様からのご理解,ご協力をいただき,平成30年度から事業を実施しているところです。こちらにつきましては,令和4年度内の事業完了を目指し,引き続き,工事を進めてまいります。
また,立木・大房地区では,町の幹線道路である町道112号線の道路拡幅工事を,引き続き実施してまいります。この拡幅工事につきましては,大房地内の文間小学校入口から,県道立崎羽根野線,大房十字路までの約260mの区間において,地権者の皆様から事業用地のご理解,ご協力をいただいておりますので,令和4年度内の完成を目標に,全線開通したいと考えております。
つぎに,過疎代行事業により,茨城県が行っている早尾からもえぎ野台に接続される,町道103号線の延伸事業についてですが,令和3年度は,事業用地の買収,環境影響基礎調査等を実施しており,事業用地では樹木伐採等が開始されております。
令和4年度につきましても,引き続き,同様の調査及び道路整備に向けた事業が行われるとのことですので,県と連携を図り,町としても協力をしてまいります。
つぎに,公園関係ですが,親水公園木道整備工事につきましては,平成12年に木道が設置されてから,約22年が経過し,老朽化が進んでいることから,公園を利用される方の安全を確保するため,木道の全面改修を行ってまいります。

【消防・防災関係】 

つぎに,防災関係では,新型コロナウイルスの蔓延により,各地区の自主防災組織の活動が充分にできなかったことをふまえ,町内自主防災組織に対する防災訓練支援補助金を1年間延長いたします。
牛久市への広域避難訓練については,昨年2月に牛久市と「大規模水害時における広域避難に関する覚書」を締結し,6月には各地区の代表者と防災士連絡会の方々の参加のもと,避難所となる学校施設の見学及び避難ルートの確認を行う訓練を実施いたしました。令和4年度も,牛久市のご協力のもと出水期前に同様の訓練を行いたいと考えております。
また,地震災害を想定した地区と町との合同防災訓練については,新型コロナウイルス感染拡大の影響により,2年連続で中止となってしまいましたので,改めて令和4年度の実施に向けた準備を進めているところです。実施にあたっては,防災士連絡会のご協力を得るとともに,できるだけ多くの地区に参加していただけるよう工夫してまいります。

 【学校教育・生涯学習関係】 

続いて,教育関係です。
町では,子育てと教育の町の実現に向けた取組を推進しております。少子化が進むなか,いじめの件数や不登校児童生徒数,特別支援の児童生徒数の増加等が課題となっており,当町においても同様の傾向が見られております。児童生徒が,これからの時代を生き抜く力を身に付けていくには,「質の高い学び」を実現していくことが不可欠です。そのためには,教員の力量を向上させる研修が重要です。 
そこで,令和4年度より,学校運営指導員を配置し,「いじめ問題の克服」や「若手教員を中心とした教職員の研修の実施」に関することの業務に当たっていただきます。研修の一層の充実を図ることで,児童生徒一人一人の力を最大限に発揮する学校の体制を築いてまいります。
つぎに,小学校統合関係についてですが,令和5年4月に開校する利根町の新しい小学校,「利根小学校」の開校まで,あと1年となります。
統合校となる,現在の布川小学校の施設整備につきましては,校舎昇降口及び屋内運動場の改修工事など,教育環境の整備充実を図ってまいります。
利根町立小学校統合準備委員会につきましては,引き続き,PTA保護者代表者,地域住民代表者,また,教職員代表者の方々のお力をお借りし,統合に向けた課題を協議してまいります。
小学校統合後の跡地利活用につきましては,利根町学校跡地利活用検討員会を立ち上げ,学識者や各小学校のPTA,地元区長,町民の方などに委員となっていただき,検討を進めているところです。これまで,令和3年7月,10月と検討委員会を開催し,12月に町民や文小学校・文間小学校児童へのアンケートも実施いたしました。また,役場内でもワーキングチームを組織し,各課からの提案も,取りまとめたところです。今後は,アンケート結果や皆様からのご意見を参考にし,令和4年10月を目途に,検討委員会から活用方針を答申して頂くことになっております。
次に,生涯学習関係では,施設を利用する高齢の方や,荷物を持って2階へ移動する方への配慮として,文化センターにエレベーター1基の設置を行います。設置場所は,既存建物の南側に昇降路建物を増築し,設置いたします。

【総務行政一般】

続きまして,総務行政一般について申し上げます。
公共交通対策ですが,「公共交通に関するアンケート調査」を昨年8月に実施いたしました。この集計結果において,乗り入れ先として,「JAとりで総合医療センター」への要望が多かったことから,学識経験者や交通事業者,町民等から構成される「利根町地域公共交通会議」へ諮り,その会議の中で,ふれ愛タクシーの「JAとりで総合医療センター」への乗り入れの方針が示されましたので,令和4年7月の運行に向け,準備を進めているところです。
つぎに,住民自治基本条例策定事業についてです。
平成30年8月から検討をはじめた住民自治基本条例も,検討委員の皆様のご協力により,これまでに24回の会議を開催し,丁寧な議論をして頂きました。コロナ禍の中,検討委員会が開催できない時期もございましたが,条例案もほぼまとまってまいりました。 
今後は,住民説明会を開催し,議会へ議案の提出をさせて頂きまして,令和4年度中に条例が施行できればと考えております。
つぎに,企業誘致推進事業についてです。令和2年12月にオープンした「カスミ利根町店」に対して,利根町企業立地促進条例により,固定資産税・都市計画税相当額を5年間交付する「企業立地奨励金」と,町内在住で35歳以下の新規雇用者数に対し,3年間交付する「雇用促進奨励金」がございますが,これら2つの奨励金を有効活用していただき,当町に根を張り,末永く営業していただければと考えております。
続いて,移住・定住促進についてです。
令和3年度に移住定住PRとして,3本の動画を作成しました。
この動画は,当町を広く知っていただき,移住のきっかけとなっていただくため,コンセプトタイトルを「From TONE」,「いいまち 利根町 あなた待ち」として,約2分半の動画,3本の構成となっています。この3本の動画はそれぞれ「テレワーカー編」,「働く女性編」,「起業編」としてストーリー展開されており,実際に町外から当町へ移住された方,3名のライフスタイルにスポットをあてた形で,当町の魅力を活かした内容となっております。この動画をインターネット上のヤフーのバナー,YouTubeへの広告としてリンクを掲載し,年代や地域,性別などで絞り込みをかけて,効果的な周知を図ってまいります。
また,令和4年度より,「利根町奨学金返還支援補助金」を新設し,若者の定住促進を図ります。この補助金は,社会人としてスタートとする同時に,大きな負担となる奨学金返済を支援することで,高校や大学の卒業と同時期に転出してしまう若者が,当町で住み続けていただくことを目的としています。
補助内容は,町内に住所があり,その前年に返還した奨学金の額,年額で上限20万円を10年間補助するものであり,最大で200万円の支援を致します。

以上,令和4年度の主な事業について,新規事業を中心に申し上げました。
新型コロナウイルスの感染拡大が,地域経済に与えた影響は大きく,依然として厳しい状況が続いております。
そのような中でも,皆さまの安心安全を守りつつ,今できることを確実に実行し,利根町が「活力あるみんなが集まるまち」となるよう,各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。
議員各位及び町民の皆様のご理解と,より一層のご協力をお願い申し上げまして,令和4年度の施政方針といたします。

 

 

                                                 令和4年3月2日

                                                 利根町長 佐々木 喜章

  ※以上は,令和4年3月定例議会の初日に述べた佐々木町長の施政方針です。本文は,口述筆記ではありませんので,実際の表現等に若干の違いがある場合がありますので,ご了承願います。

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