施政方針

令和3年度施政方針

 

施政方針(令和3年第1回利根町議会定例会) 

  

はじめに 

令和3年第1回利根町議会定例会の開会にあたりまして,ご挨拶を申し上げます。
未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生からまもなく10年を迎えようとしています。近年,毎年のように全国各地で自然災害が頻発し,いつ起こるかわからない災害への備えや,地域・行政の災害への対応力強化は非常に重要となっています。
来るべき災害への備えに加え,依然として猛威をふるう新型コロナウイルス感染症への対策は最優先課題であり,町民の皆さまの安心・安全の確保に,引き続き,努めていく所存でございます。
現在,国内における新型コロナウイルスの感染者数については,減少傾向にあるものの,その傾向が鈍化している地域もあり,国の緊急事態宣言解除後のリバウンドも懸念されております。県内でも高齢者施設等でのクラスターや家庭内感染などにより,重症化リスクが高い高齢者の感染が目立っており,医療機関の負荷を減らすためにも,対策の徹底を続ける必要があります。
こうしたなか,先月より,国立病院機構などの医療従事者を対象とするワクチンの先行接種が開始されており,今後は,優先接種の対象となる方から順次,接種を進めていく予定となっています。一日も早く,平穏な暮らしを取り戻せるよう町民の皆様と一丸となって,この難局を乗り越えてまいりたいと思っておりますので,引き続き,皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。

【社会経済】

 次に,昨今の景気に触れますと,政府の2月の月例経済報告では,「景気は,新型コロナウイルス感染症の影響により,依然として厳しい状況にあるなか,持ち直しの動きが続いているものの,一部に弱さがみられる。」とし,先行きについては,「緊急事態宣言の解除後も感染拡大の防止策を講じつつ,社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで,各種政策の効果や海外経済の改善もあって,持ち直していくことが期待されるが,内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。」としています。
新型コロナウイルスが町民生活や地域経済に及ぼす影響は,感染の拡大と長期化に伴い深刻さを増しております。今後も,社会経済情勢の変化を的確に捉え,町民の皆様が安心して生活できるよう,新型コロナウイルス感染症対策をはじめとした様々な課題に対し,迅速かつ柔軟に対応して参ります。

それでは,令和3年度当初予算の概要につきまして,申し上げたいと思います。

令和3年度予算概要

令和3年度の予算編成にあたっては,これまでにない厳しい財政状況が予想される中,限られた財源と人員を有効に活用し,町民への情報提供と共有化により,行政への関心や参加意識を高めるとともに,皆様の声に耳を傾け,町民と行政とが一体となったまちづくりに取り組んでいくこと,スピード感をもって質の高い行政サービスを提供し,町民満足度の向上を図り,社会構造の変化に対応した効果的な施策を推進していくことなどを編成方針とし,編成作業にあたらせてきたところでございます。
また,歳入面において,新型コロナウイルス感染症の影響により,自主財源の根幹をなす町税の大幅な減収が見込まれますので,歳出については,前年度決算における不用額の分析や徹底した事業の見直しを行い,予算編成を行いました。

令和3年度一般会計の予算規模は,57億1,436万6,000円で,前年度当初予算と比較いたしますと,3億2,172万8,000円の減,率にしますと5.3%の減となっております。
特別会計につきましては,国民健康保険特別会計の国民健康保険事業費納付金や保険給付費等の減などにより,6つの特別会計の総額は,45億5,983万4,000円で,前年度比8,922万2,000円の減,率にしますと1.9%の減となっております。

令和3年度行政組織機構改革主要事業 

続いて,令和3年度に実施する機構改革について申し上げます。

【高齢者福祉関係】

昨年1月より始まった高齢者等買い物弱者移動販売事業ですが,町民の皆様のご意見を伺いながら,販売箇所の見直しを行い,現在,33箇所で実施しております。新型コロナウイルス感染症の影響により,外出を控える方や日常の買い物にお困りの方を支援し,住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりに引き続き取り組んでまいります。

【農業振興・農村環境整備・商工観光・消費者行政関係】 

続いて,農業振興関係では,利根西部地区基盤整備事業については,権利者への原案説明,同意書の徴集を行っていく予定であり,利根南部地区基盤整備事業については,本同意の取得・国への事業認可申請の準備を進めてまいります。
次に,商工関係ですが,まちなか・商店街活性化事業では,空き店舗を町が借り上げ,必要な改修を行ったうえで,町内での創業を目指す起業家等へ,チャレンジショップとして貸し出すなど,インキュベーション施設の整備と,地域や商店街の活性化に繋がる取り組みを,外部専門家や町民の意見を取り入れながら推進してまいります。
消費者行政については,国や県,関係機関などと協力し,相談体制の一層の充実を図りながら,町民の皆様の安心・安全な生活の実現のために,今後も引き続き,消費者行政の推進に取り組んでまいります。

【道路整備関係】 

続きまして,道路整備関係ですが,誰もが安心,安全に通行できる道路環境の整備を図るため,道路の拡幅や,老朽化により傷んだ道路の維持補修などを実施いたします。
町内幹線道路の整備については,引き続き,町道112号線の拡幅工事を進めてまいります。令和3年度は,立木地内の拡幅工事が完了する予定となっております。 
また,狭あい道路の改善では,立木寺内地区の緊急車両道路拡幅整備事業を引き続き進めてまいります。令和3年度は,集落内道路の拡幅工事に着手いたします。
利根川沿いの町道109号線の舗装修繕工事や,羽根野台における側溝の敷設替え工事についても,引き続き実施し,安全に通行できる道路環境の整備に努めてまいります。
また,過疎代行事業として茨城県が事業を進めている,早尾台ともえぎ野台を結ぶ町道103号線延伸事業につきましては,用地買収をすすめているところであり,茨城県と連携を図り,事業の早期完成に向け,町としても協力をしてまいります。 

【消防・防災関係】 

次に,消防,防災関係ですが,新たに「防災危機管理課」として,防災計画の適宜改正,災害時の指揮命令系統の確立,避難所の確保,自主防災組織の育成を行い,近年頻発する豪雨災害や,想定されている地震災害への対応の強化を図ってまいります。
また,引き続き,稲敷地方広域市町村圏事務組合との連携を維持するとともに,消防団の小型動力消防ポンプ積載車両の更新や,消防水利の確保など,消防施設及び設備の充実に努めます。
「自主防災組織の防災訓練に関する補助金」については,本年3月31日までの事業でしたが,災害が発生した際は「共助」の役割が非常に重要となることから,防災活動を促進するとともに,地域防災力の向上を図るために,1年間延長し,事業を実施してまいります。

 【学校教育・生涯学習関係】 

続いて,教育関係ですが,まず,小学校統合関係については,現在,令和5年4月の小学校統合に向け,利根町立小学校統合準備委員会での協議を行うとともに,委員会内に3つの専門部会を置き,より具体的な課題検討を行っております。委員になっていただいております,PTA保護者代表者,地域住民代表者,また,教職員代表者の方々のお力をお借りしながら,統合に必要な準備を進めてまいります。
また,統合後の新しい小学校となる,現在の布川小学校の駐車場等整備工事,校舎エレベーター及び多目的トイレ設置等工事に係る設計業務を進め,統合に向けた学校環境の整備を図ってまいります。
つぎに,生涯学習関係ですが,日本ウェルネススポーツ大学と連携し,子ども達にスポーツの楽しさを知ってもらうため,スポーツ教室を開催します。
また,4月4日には,ウオーキング大会を実施いたします。文化センターを発着点として,利根川桜づつみを歩くコースとなっており,桜の花舞う利根川で,春の訪れを感じていただけたらと思います。今後も,健康で活力に満ちた生活のためスポーツ活動の推進を図ってまいります。
つぎに,文化センターにつきましては,現在,2階への移動は階段のみとなっており,施設利用者の利便性や安全性を確保するため,令和4年度にエレベーターの設置を予定しております。来年度は,設置に向けエレベーターの設計業務を進めてまいります。

【総務行政一般】

続きまして,総務行政一般について申し上げます。
当町は,急速に人口減少,少子高齢化が進行しており,高齢化率は全国平均を大きく上回っています。地方から大都市への人の流出が地方における課題となっておりましたが,コロナ禍を機に,「東京一極集中」に変化の兆しが見られています。
コロナ禍でのライフスタイルとして地方移住への関心が高まる中,当町においても東京圏で働くテレワーカーの移住定住を獲得するため,移住定住に焦点を当てたPR動画を作成し,当町に移住したことにより実現できるライフスタイルを多くの方に周知することで,移住定住を促進してまいります。
また,移住定住を促進する新築マイホーム取得助成に,転入世帯でテレワークをしている世帯に対する加算を新たに追加し,東京圏からの移住でテレワーク勤務,中学生以下の子供3人,新築住宅を購入の場合,最大で55万円を支給します。
続いて,公共交通対策ですが,公共交通やデマンド交通,車を持たない方の移動先の希望などの交通施策について,60歳以上の方,約2千人にアンケート調査を実施します。町民のニーズを的確に捉え,町民が真に求める円滑な移動手段の確立に努めてまいります。

むすび

以上,令和3年度の主な事業について,新規事業を中心に申し上げましたが,子育て,福祉,教育,経済,防災など町が関わる全ての分野において,魅力を高め,町民と地域がいきいきと躍動し,「利根町に住み続けたい!」と思っていただけるようなまちづくりを今後も進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても,まちづくりの将来像である「ともに創ろう  みんなが住みたくなるまち    とね」の実現に向け,限られた資源の中で「最小の経費で最大の効果」をあげ,町民の皆様の負託に応えるべく,全力で町政運営に取り組んでまいりますので,議員各位,並びに町民の皆様方には,より一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして,令和3年度の施政方針といたします。

 

 

                                                 令和3年3月2日

                                                 利根町長 佐々木 喜章

  ※以上は,令和3年3月定例議会の初日に述べた佐々木町長の施政方針です。本文は,口述筆記ではありませんので,実際の表現等に若干の違いがある場合がありますので,ご了承願います。

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