○利根町議会基本条例

平成23年3月15日

条例第5号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 町民と議会との関係(第4条―第6条)

第4章 行政と議会との関係(第7条―第9条)

第5章 自由討議の保障(第10条)

第6章 委員会の活動(第11条・第12条)

第7章 議会事務局及び広報活動(第13条―第15条)

第8章 議員の定数・報酬,政務活動費及び政治倫理(第16条―第18条)

第9章 最高規範性と検証(第19条・第20条)

附則

地方議会は,地域主権・住民主権の時代にあって,二元代表制のもと,地方公共団体の事務執行の監視機能及び立法機能を十分発揮しながら,日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を目指すものである。

利根町議会(以下「議会」という。)は,利根町民によって選ばれた議員で構成された町民の意思を代弁する合議制機関である。

その責務は,自治体事務の論点,争点を広く町民に明らかにし,利根町における民主主義の発展と福祉の向上のために活動するものである。

議会及び議員は,町民の信託にこたえるため,高い使命感を持って職務に取り組み,町民とともに汗を流す町民協働の議会運営を行うとともに,活力ある地域づくりを進めることを誓約して,この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,地域主権と住民主権の時代にふさわしい議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることによって,利根町が目指す町の将来像の実現に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 公正性及び透明性を確保し,町民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 町民の多様な意見を的確に把握し,町政に反映させるための運営に努めること。

(3) 町民にとって,分かりやすい言葉を用いた説明に努めること。

(4) 議会内での申し合わせ事項は,不断に見直しを行うこと。

(5) 町民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。

(議員の活動原則)

第3条 議員は,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを十分認識し,議員間の自由な討議を重んじること。

(2) 町政の課題全般について,町民の意見を的確に把握するとともに,自己の能力を高める不断の研さんによって,町民の代表としてふさわしい活動をすること。

(3) 一部団体及び地域の代表にとらわれず,町民全体の福利の向上を目指して活動すること。

第3章 町民と議会との関係

(積極的な情報発信と議会報告会)

第4条 議会は,町民に対し積極的にその有する情報を発信し,説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は,町民に対し議会の現状を報告するとともに,町政に対する質疑を受けるため,議会報告会を開催するものとする。

3 議会報告会は,全議員の参加により年に1回開催するものとする。ただし,町民にとって重要かつ緊急性のあるものについては,その都度開催するものとする。

(会議の公開)

第5条 議会は,本会議のほか,原則としてすべての会議を公開とする。

(意見の反映)

第6条 議会は,地方自治法の規定による参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して,町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

第4章 行政と議会との関係

(議員と町長等との関係)

第7条 議会審議における議員と町長等執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)との関係は,次の各号の定めるところにより,緊張関係の保持に努めなければならない。

(1) 本会議並びに常任委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)における議員と町長等との質疑応答は,広く町政上の論点及び争点を明確にするため,一問一答方式により行うものとする。ただし,質疑応答が一問一答方式により難いときは,この限りではない。

(2) 議長から本会議及び委員会への出席を要請された町長等は,議長又は委員長の許可を得て,議員の質問に対して反問することができる。

(3) 議員は,会期中又は閉会中にかかわらず,町長等に対し文書により質問することができる。この場合において,町長等は,できる限り文書により回答するものとする。

(議会審議における論点情報の形成)

第8条 町長は,重要な計画,政策,施策,事業等(以下「政策等」という。)を議会に提案するときは,その政策等の水準を高めるため,次の各号に掲げる事項について明らかにするとともに,議会審議における論点情報を明確にするよう努めなければならない。

(1) 政策等の発生源

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 町民参加の有無とその内容

(5) 総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたるコスト計算

(予算及び決算の審議における説明)

第9条 町長は,予算及び決算を議会の審議に付するときは,その内容を事業別又は施策別に簡潔に分かりやすく説明するよう努めるものとする。

第5章 自由討議の保障

(議会の合意形成)

第10条 議会は,言論の府であることを十分に認識し,議長は,町長等に対する委員会への出席要請を必要最小限にとどめ,議員相互間の自由討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は,本会議及び委員会において議員,委員会及び町長提出議案並びに町民提案に関して結論を出す場合,議員相互間の議論を尽くして合意形成に努めるものとする。

第6章 委員会の活動

(委員会の活動)

第11条 委員長は,委員会の秩序維持に努め,委員会審査に当たっては,資料等を積極的に公開しながら町民に対し分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。

2 委員会の審議結果は,委員長が本会議において報告し,これに対する質疑についても,委員長が責任を持って答弁しなければならない。

(議員研修の充実強化)

第12条 議会は,議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため,研修の充実強化を図る。

2 議会は,議員研修の充実強化を図るため,議会自らが研修会を開催するとともに,広く各分野の専門家,町民等の研修会に参加するものとする。

第7章 議会事務局及び広報活動

(議会事務局)

第13条 議会は,その機能を充実強化し,効率的な運営を確保するため,議会事務局を置く。

2 議会事務局は,議長の指揮監督の下,議会に関する事務を執行する。

3 議長は,専門的な知識経験を有する者を活用する等,議会事務局の体制の強化及び運営の充実を図るよう努めるものとする。

(議会図書室の利用)

第14条 議会図書室は,議員のみならず,誰もがこれを利用できるものとする。

(広報)

第15条 議会は,議案に対する各議員の対応を議会が発行する広報紙及び議会が運営する公式ホームページで公表するほか,議会に関する情報の提供に努めるものとする。

2 前項に定めるもののほか,議会は,情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより,多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報に努めるものとする。

第8章 議員の定数・報酬,政務活動費及び政治倫理

(議員の定数及び報酬)

第16条 議員の定数及び報酬の決定に当たっては,行財政改革の視点だけでなく,住民の意思の反映,町政の現状と課題,将来の予測と展望を十分に考慮するものとする。

2 議員の定数及び報酬の基準は,人口,面積,財政力及び町の事業課題並びに類似自治体の議員定数などを参考にするものとする。

(政務活動費)

第17条 議員は,政策の決定及び形成並びに調整に関する課題の調査研究に要する経費の一部に政務活動費を充てることができる。

2 議員は,前項の趣旨を尊重し,効果的,かつ,効率的に政務活動費を活用するとともに,これに関する資料を公開し,その使途の公正性及び透明性を確保しなければならない。

(議員の政治倫理)

第18条 議員は,利根町政治倫理条例(平成18年利根町条例第2号)を規範として遵守しなければならない。

第9章 最高規範性と検証

(最高規範性)

第19条 この条例は,議会における最高規範であって,議会は,この条例の趣旨に反する議会の条例,規則等を制定してはならない。

(この条例の検証)

第20条 議会は,この条例の目的が達成されているかについて,議会運営委員会において常に検証し,必要があると認めるときは,この条例の改正を含め所要の措置を講ずるものとする。

2 この条例を改正しようとするときは,必要に応じ,町民へ説明し,意見を求めるものとし,改正案が全議員の賛同するものであっても,本会議において,改正の趣旨及び経緯を詳しく説明しなければならない。

この条例は,平成23年4月1日から施行する。

(平成25年条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は,平成25年3月1日から施行する。

(令和4年条例第1―1号)

この条例は,令和4年4月1日から施行する。

利根町議会基本条例

平成23年3月15日 条例第5号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成23年3月15日 条例第5号
平成25年2月21日 条例第1号
令和4年3月17日 条例第1号の1