○利根町男女共同参画推進条例

令和2年12月9日

条例第23号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等(第9条―第18条)

第3章 利根町男女共同参画推進委員会(第19条―第25条)

第4章 補則(第26条)

附則

日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ,国際社会における取組とも連動しながら,男女平等の実現に向けた様々な取組が進められてきた。

平成11年に「男女共同参画社会基本法」が施行され,男女共同参画社会の実現を21世紀における最重要課題と位置付け,社会のあらゆる分野で,総合的な施策の推進の重要性が示されている。

また,平成27年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が施行され,女性の活躍に向けた取組が社会全体で拡大しており,女性の活躍を一層推進していくことが重要になっている。

利根町においては,平成27年に「利根町男女共同参画推進プラン」を,令和2年に「第2次利根町男女共同参画推進プラン」を策定し,男女共同参画社会の実現に向けた取組を進めてきた。

しかし,性別による固定的な役割分担意識,性別に起因する暴力や人権侵害など,多くの課題が解決されていないことから,男女共同参画社会の実現には,総合的かつ計画的に推進することが必要である。

ここに,男女共同参画社会を実現することを目指して,町,町民及び事業者が一体となった取組を推進するため,男女共同参画の推進についての基本理念やそれぞれの責務等を定めた条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,男女共同参画の推進に関し,基本理念を定め,町,町民及び事業者の責務を明らかにするとともに,男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより,男女共同参画社会の実現を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が,社会の対等な構成員として,自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され,もって男女が均等に政治的,経済的,社会的及び文化的利益を享受することができ,かつ,共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において,男女のいずれか一方に対し,当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 町民 町内に居住し,又は勤務し,若しくは通学する者をいう。

(4) 事業者 町内において事業活動を行う個人,法人その他の団体をいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 町民生活のあらゆる場において相手の意に反した性的な言動により相手方の生活環境を害すること又は性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えることをいう。

(6) ドメステイック・バイオレンス 配偶者,恋人その他の親密な関係にある者又はこれらの関係にあった者に対する身体的,精神的,社会的,経済的又は性的な暴力及び虐待行為をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は,次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

(1) 男女の人権の尊重 男女の個人としての尊厳が重んぜられること,男女が性別による差別的取扱いを受けないこと,男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 社会における制度又は慣行についての配慮 男女の社会における活動に対して及ぼす影響にできる限り配慮し,男女が性別による固定的な役割分担にとらわれることなく多様な生き方を選択できるよう配慮されること。

(3) 政策等の立案及び決定への共同参画 男女が,社会の対等な構成員として,町における政策又は事業者における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。

(4) 家庭生活における活動と他の活動の両立 家族を構成する男女が,相互の協力及び社会の支援の下に,子の養育,家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし,かつ,当該活動以外の活動を行うことができるよう配慮されること。

(5) 生涯にわたる男女の健康維持に対する配慮 男女が,互いの性にかかわる身体的特徴について理解を深め,尊重し合うとともに,生涯にわたり健康な生活を営むことができるよう配慮されること。

(6) 国際的協調 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮して,国際的協調の下に行われること。

(町の責務)

第4条 町は,前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し,実施しなければならない。

2 町は,男女共同参画の推進に関する施策について,町民及び事業者の理解が深まるよう必要な啓発活動を行わなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は,家庭,職場,学校,地域その他の社会のあらゆる分野において,基本理念にのっとり,男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 町民は,町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は,事業活動において,基本理念にのっとり,男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者は,基本理念にのっとり,男女が共に職業生活における活動及び家庭生活,地域生活等における活動を両立できるよう就労環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は,町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も,社会のあらゆる分野において,次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 性別を理由とする権利侵害及び差別的な取扱い

(2) セクシュアル・ハラスメント

(3) ドメスティック・バイオレンス

(公衆に表示する情報に関する留意)

第8条 何人も,公衆に表示する情報において,性別による固定的な役割分担及び前条に規定する行為を助長し,又は連想させる表現並びに著しく性的感情を刺激する表現を行わないよう努めなければならない。

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等

(基本計画)

第9条 町長は,男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的に推進するため,男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 町長は,基本計画を策定するに当たっては,あらかじめ第19条に規定する男女共同参画推進委員会の意見を聴かなければならない。

3 町長は,基本計画を策定したときは,これを公表しなければならない。

4 前2項の規定は,基本計画を変更する場合について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 町は,男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し,及び実施するに当たっては,男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

(教育における男女共同参画の推進)

第11条 町は,学校教育及び社会教育において,男女共同参画に関する教育及び学習の機会を充実させる等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(男女共同参画推進月間)

第12条 町は,男女共同参画の推進について,町民及び事業者の関心と理解を深めるとともに,男女共同参画の推進に関する活動が積極的に行われるようにするため,男女共同参画推進月間を設けるものとする。

2 前項の男女共同参画推進月間は,毎年11月とする。

(町民等の活動の支援)

第13条 町は,町民及び事業者が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため,情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(苦情等の申出及び対応)

第14条 町民及び事業者は,次に掲げる苦情等を町長に申し出ることができる。

(1) 男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情

(2) 性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合についての相談等

2 町長は,前項の規定による苦情等の申出を受けたときは,関係機関との連携を図り,適切かつ迅速に対応するものとする。

(推進体制の整備)

第15条 町は,男女共同参画の推進を図るために必要な推進体制の整備に努めるものとする。

(附属機関等における積極的改善措置)

第16条 町は,附属機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する附属機関をいう。)その他これに準ずるものにおける委員の委嘱又は任命に当たっては,積極的改善措置を講ずるように努めるものとする。

(調査研究等)

第17条 町は,男女共同参画を推進するため,男女共同参画に関する情報の収集,分析及び調査研究を行うものとする。

(施策の実施状況の公表)

第18条 町長は,毎年度,基本計画に基づく施策の実施状況を明らかにする報告書を作成し,これを公表しなければならない。

第3章 利根町男女共同参画推進委員会

(男女共同参画推進委員会の設置)

第19条 男女共同参画社会の実現を総合的かつ効果的な推進を図るため,利根町男女共同参画推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置く。

(所掌事務)

第20条 推進委員会は,町長の諮問に応じ,次に掲げる事項に関して調査審議する。

(1) 基本計画の策定及び変更に関すること。

(2) 男女共同参画の推進方策に関すること。

(3) その他男女共同参画の推進に関して必要な事項に関すること。

(組織)

第21条 推進委員会は,委員12人以内をもって組織し,次に掲げる者のうちから町長が委嘱する。

(1) 知識経験者 4人以内

(2) 各種団体等 4人以内

(3) 町民 4人以内

2 前項の委員の選任に当たっては,男女いずれか一方の委員の数が委員総数の10分の4未満とならないようにしなければならない。

(任期)

第22条 委員の任期は,2年とする。ただし,再任を妨げない。

2 委員が欠けた場合の補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。

3 前2項の規定にかかわらず,特定の職により委嘱された委員は,当該職にある期間とする。

(会長及び副会長)

第23条 推進委員会に,会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は,委員の互選により選出する。

3 会長は,会務を総括し,推進委員会を代表する。

4 副会長は,会長を補佐し,会長に事故があるとき又は欠けたときは,その職務を代理する。

(会議)

第24条 推進委員会の会議(以下「会議」という。)は会長が招集する。ただし,委員の委嘱後最初に開かれる会議は,町長が招集する。

2 会長は,会議の議長となる。

3 会議は,委員の半数以上が出席しなければ,開くことができない。

4 会議の議事は,出席委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。

5 会長は,必要と認めるときは,会議に委員以外の者の出席を求め,その意見,説明等を聴くことができる。

(庶務)

第25条 推進委員会の庶務は,政策企画課において処理する。

第4章 補則

(委任)

第26条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,町長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は,令和3年4月1日から施行する。

(利根町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 利根町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成2年利根町条例第5号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(経過措置)

3 この条例の施行の際,現に策定されている利根町男女共同参画推進プランは,第9条第1項に規定する基本計画とみなす。

(令和5年条例第7号)

(施行期日)

1 この条例は,令和5年4月1日から施行する。

(任期の特例)

2 この条例の施行の日以後最初に委嘱される委員の任期は,第22条の規定にかかわらず,令和7年3月31日までとする。

利根町男女共同参画推進条例

令和2年12月9日 条例第23号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第1節 事務分掌
沿革情報
令和2年12月9日 条例第23号
令和5年3月20日 条例第7号